特許法と不正競争防止および営業秘密保護に関する法律(以下、「不正競争防止法」)に基づく損害賠償に関して、懲罰的損害賠償額の限度を3倍から5倍に増額する改正案が2024年1月25日に国会本会議を通過した。実用新案法は、特許法を準用するので、やはりその限度が5倍に増額される。商標法、デザイン保護法、産業技術の流出防止および保護に関する法律(以下、「産業技術保護法」)では、法改正が行われていないため、懲罰的損害賠償額の限度は3倍に維持される。
不正競争防止法の改正案には、懲罰的損害賠償額の限度を増額する内容のほかにも、営業秘密毀損などの行為に対する処罰規定を新設し、法人への罰金刑の上限を強化するなど、営業秘密侵害に対する抑止的効果を上げるための内容が含まれている。
懲罰的損害額関連の規定は、改正案施行以後に発生する違反行為から適用され、改正案は2024年8月21日から施行される。
1. 知識財産権法上の懲罰的損害賠償規定および限度
2. 懲罰的損害賠償額の限度増額以外の不正競争防止法改正案の主な内容
イ.現行制度の運営上で表れた一部の不備な点を改善・補完
現行法において、特許庁長、市・道知事、または市長・郡守・区長は、不正競争行為を行った者に対して是正勧告を下すことができる。しかし、今回の改正を通じて特許庁長が是正命令を下すことができるようになり、是正命令を受けた者がこれを履行しなければ、違反行為の内容などを公表でき、過怠料を課すことができる(改正案第8条第1項および第20条第1項第1号の2新設など)。
一方、現行法において、損害賠償請求の訴えが提起された場合、法院は特許庁に不正競争行為などの調査記録の送付を求めることができるが、改正法では、損害賠償請求の訴えに加えて、不正競争行為などの禁止または予防請求の訴えが提起された場合にも、法院が特許庁長、市・道知事、または市長·郡守·区長に不正競争行為などの調査記録の送付を求められるようにし、送付された調査記録に対する閲覧範囲および閲覧者制限などの手続きに関する規定も新たに追加された(改正案第14条の7)。
ロ.営業秘密を毀損・滅失・変更する行為に対する処罰規定を新設
何人も正当な権限なくまたは許可された権限を超えて他人の営業秘密を毀損・滅失・変更することを禁止し(改正案第9条の8新設)、不正な利益を得たり、営業秘密保有者に損害を負わせる目的で、上記規定に違反して他人の営業秘密を毀損・滅失・変更した者は、10年以下の懲役または5億ウォン以下の罰金に処するようにした(改正案第18条第3項新設)。
ハ.不正競争行為犯罪や営業秘密侵害罪に関する法人への罰金刑の上限強化
現行法上では、不正競争行為犯罪や営業秘密侵害罪に関して、法人と自然人に対する罰金刑の水準が同一であるが、改正を通じて法人への罰金刑の上限を行為者の3倍に強化した(改正案第19条)。
3. 示唆点
今般の改正は、特許法と不正競争防止法において懲罰的損害賠償額の限度を5倍と大幅に増額し、不正競争防止法において営業秘密の毀損などの行為に対しても処罰規定を新設して法人への罰金刑の上限を強化するなど、技術奪取行為に対する先制的抑止および被害救済の実効性を大きく確保しようとする規定を追加した。
このように、最近の法律改正が、知的財産権保護を強化する方向で継続して行われているため、各企業では、知的財産権事件による損害賠償金額が大幅に増加する可能性があり、刑事処罰の可能性もさらに高くなったという点を念頭に置いて、より綿密に知的財産権の侵害防止対策を立てなければならず、関連紛争の発生時に、権利者は該当規定を活用した積極的な対応をする必要がある。
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