海外電子商取引プラットフォームを通じた販売行為に対して特許侵害を認めた重要判決
韓国法律事務所LEE&KO知的財産権グループは、韓国登録特許権の権利範囲に属する製品を海外電子商取引サイトに掲載して販売した行為が「譲渡の申込み」に該当し、韓国特許権の侵害となることを初めて認めた特許法院の判決を導き出しました。
1. 事案の概要
中国企業Y社は、イタリアの靴下編機製造会社であるL社の韓国登録特許の権利範囲に属する製品(本件製品)を、中国の電子商取引プラットフォーム「Alibaba」および自社ホームページに掲載し、広告・販売しました。
Y社は、①「Alibaba」の販売ウェブページにおいて韓国語で製品仕様等の詳細情報を提供し、価格を韓国ウォンで表示し、韓国内での注文および配送が可能となるようにしており、②自社ホームページでも韓国語で製品情報を提供しながら、韓国への配送が可能である旨を案内し、問い合わせ及び相談サービスを提供するなどの方式で本件製品を広告・販売しました。
2. 主要な争点
特許権の属地主義原則上、特許権は登録された国家の領域内でのみ効力を有するのが原則です。これに基づき、サーバーを海外に置いた国外電子商取引プラットフォームまたは国外ホームページに製品を掲載した行為が、韓国における「譲渡の申込み」に該当するか否かが、本件の核心的な争点でございました。
3. 第一審裁判所の判断
第一審裁判所であるソウル中央地方法院は、特許権の属地主義原則を強調する立場から、譲渡の主体、目的物、譲渡代価の額等、譲渡の申込みを構成する主要な要素が国外で行われたと判断し、Y社が国外電子商取引プラットフォームに販売記事を掲載した行為は「国内での譲渡の申込み」とは認められないと判断し、L社の差止請求を棄却しました。
4. 特許法院の判断
このような第一審裁判所の判断に対し、韓国法律事務所LEE&KO知的財産権グループは、①全世界的にアクセス可能なオンラインプラットフォームを通じた商取引が日常化している状況において、オンライン取引による知的財産権侵害に効果的に対応する必要性が高い点、②海外主要国の裁判所もまた特許権の実質的保護のため属地主義を緩和している点、③Y社は「Alibaba」及び自社ホームページにおいて韓国語で製品情報を提供し、価格を韓国ウォンで表示し、韓国内で配送可能であることを明示している点、④韓国内の消費者向けに問い合わせ・相談窓口を開設している点、⑤Y社の行為を韓国特許に対する「譲渡の申込み」と評価しても特許権保護の合理的限界を超えない点を、説得力をもって主張しました。
特許法院はこれらの主張を受け入れ、Y社が「Alibaba」及び自社ホームページにおいて韓国語で商品情報を提供している点、韓国国内での注文および受領が可能な点、韓国ウォンでの決済が可能な点、国内消費者向けの問い合わせ・相談窓口を運営していた点等を総合的に考慮すると、Y社が「Alibaba」及び自社ホームページに本件製品を掲載した行為は、韓国内の消費者を直接的な対象とするものであり、「譲渡の申込み」に該当し、L社の特許権を侵害したものであると判断し、差止請求を認容しました。
5. 本判決の意義及び示唆点
本判決は、外国企業が海外電子商取引プラットフォームまたは海外サーバー所在のホームページに特許侵害製品を掲載した場合であっても、その行為が韓国内の消費者を対象として実質的に販売を誘導するものと評価されるのであれば、韓国特許法上「譲渡の申込み」に該当し、国内特許侵害が成立し得ることを初めて認めた事例でございます。
特に、全世界的にオンライン商取引が日常化している現実において、特許権の実質的保護のため属地主義の原則を合理的に緩和し、オンライン環境での特許権侵害に効果的に対応するための判断基準を提示した点において、大きな意義を有しております。
本判決は、今後、国外電子商取引プラットフォームやウェブサイトに韓国登録特許製品を掲載する行為に対して、特許権者が権利を行使する際の重要な指針となるものと考えられます。
韓国法律事務所LEE&KO知的財産権グループは、特許権、実用新案権、商標権、意匠権、著作権、品種保護権等の保護と不正競争行為の防止を含む各種知的財産権及び技術関連業務の紛争対応及び法務サポートにおいて積み重ねてきた豊富な業務経験を基に、先例となる判決を切り拓くなど、深い研究と専門的対応を通じて成果を上げております。知的財産権はもとより、技術関連紛争及び法務サポートが必要な際には、いつでも韓国法律事務所LEE&KO知的財産権グループにご相談いただければと存じます。